気になる5つの働きや摂取量について
食物繊維には種類がいくつかありますが、おおまかに水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分類されます。ここでは水溶性食物繊維にふれてみましょう。
繊維と聞くとただ、消化できにくいものというイメージが湧きますが、水溶性食物繊維は胃に到達するとゼラチンのように水分を取り込むことで膨らむ性質を持ちます。
ジュンサイのようなヌルヌルとした粘性がみられ、滑らかな形状が腸管内を刺激してクリーンにします。こんにゃくを食べるのと同じ発想であると言われる方もみえます。しかし、単なるお掃除屋さんの役割だけではなく生命維持に関わる重要な働きをしてくれます。
水溶性食物繊維の種類
植物性のもの
ペクチン、グリコマンナン、アルギン酸ナトリウム、難消化性デキストリン
動物性のもの
コンドロイチン
水溶性食物繊維の特徴
糖尿病の予防効果
水分を吸収した繊維を届けることで腸内の糖分吸水速度を穏やかにします。このため、食後に起こりやすい血糖値の急上昇が抑制されます。
便の嵩が増す
水分を含んだ水溶性食物繊維は腸内で栄養を取り込まれても、水分量が多いため便の嵩が増します。嵩が増すことで排泄作用が高まり、余分な老廃物取り込みながらお通じをスムーズにします。
動脈硬化の予防効果
水溶性食物繊維によって綺麗になった腸管内は脂肪の吸収がされにくくなり、血中コレステロール値を減少する方向に向かわせます。
高血圧の予防効果
含まれるアルギン酸ナトリウムが有害物質の腸内付着を阻害します。排除する働きから血圧をさげて安定させます。
善玉菌を増殖させる
食物繊維は腸内環境を整える善玉菌の大好物。腸へきちんと届く水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなり、善玉菌を増殖し活性化させます。
水溶性食物繊維の摂取量はどれぐらい必要なのでしょう?
健康指針によると成人が一日に摂取したい食物繊維は20g〜25g。そのうち水溶性食物繊維は1割で不溶性食物は2割に分配すると良いとされています。
20gでざっと計算をしてみると6g強といった数値が出ます。
ただ、あまり意識しすぎると摂取習慣がきつくなってしまいがちですので、水溶性食物繊維を含む食品を知って不溶性食物繊維を含む食品も考慮に入れながら積極的に食事内容にプラスしましょう。