不溶性食物繊維を含む食品と食べる前に知っておきたい4つのポイント
食物に含まれる不溶性食物繊維の種類は様々
不溶性食物繊維を含む食品には、炭水化物が多いのがあげられます。穀類、芋類などがそうです。
これらには植物の細胞壁の主成分であるグルコースと呼ばれる多糖類が結合したセルロースが含まれています。穀類や豆類のでも特に外皮、ふすまなどに含まれているのが、ヘミセルロースと呼ばれています。
セルロース同士を結合させる不溶性食物繊維が不溶性ペクチンと呼ばれるもので、これらはジャムやゼリーの材料になることから、柑橘類や野菜に含まれています。芋類に含まれる不溶性食物繊維イヌリンは、カルシウムの吸収をよくし、腸内環境正常化に勤めます。またキノコ類にしか含まれないグルカンは、腸内環境を整えるといわれています。
一重に不溶性食物繊維とはいっても、食物によって含まれている種類も様々だという事です。
不溶性食物繊維を多く含む食品
オートミール、玄米、枝豆、インゲン豆、おから、グリンピース、牛蒡、かぼちゃ、栗、かんぴょう、干しシイタケ、きくらげ、ししとう、ぶなしめじ、切り干し大根
不溶性食物繊維を含む食品を食べる前に知っておきたい4つのポイント
体に良いからと言って過剰摂取をすると次のような影響があらわれますので、ほどほどの量で一日13gを目安に水溶性食物繊維(6g)と共に摂取しましょう。
不溶性食物繊維は水分を吸収しない、パサパサの繊維質です。便秘を解消する効果にたけている反面、便秘が酷い状態で過剰摂取をすると、腹部の膨満感が増して腹痛を伴う便秘症状が悪化します。
便秘症状は便の状態を見てもわかると思いますが、水分のない便でありその為排泄が困難な形状です。そこへパサパサの不溶性食物繊維がやってくると、更に腸内の水分が奪われて便の排泄に支障をきたしてしまいます。
便秘症状が酷いときには過剰摂取は避けるべきです。特に、痙攣性便秘では繊維質の摂取は避けるようにしましょう。活発に蠕動運動をする痙攣性便秘は、不溶性食物繊維が相乗されると重篤な便秘に陥ります。
便秘でお腹の張りや痛みがいつも気になっていたり、排便してもすっきりしなかたり、便がうさぎの糞のようにコロコロしている方はもしかすると痙攣性便秘かもしれません。心配な方は胃腸科で調べてみることをお勧めします。
1であげたように、不溶性食物繊維はパサパサの繊維質です。水分と一緒に摂ることで流動性や潤滑性がプラスされて排泄作用もスムーズになります。
おからなどは特にパサパサで飲み込むのに時間がかかる方もみえると思います。お味噌汁やスープに加えたり、その他の不溶性食物繊維も水分をプラスする調理方法で食べると良いでしょう。
水を飲みながら流し込むと胃液が薄まりさらに消化酵素の働きが低下して、大腸に負担をかける結果を招いてしまいますので、注意しましょう。
水溶性食物繊維は不溶性食物繊維とは異なり、水分を吸収してゲル化する繊維です。潤滑性がよいので、いっしょに摂ることで無理なく腸内に届くことができ、排泄にも影響が出にくくなります。
不溶性食物繊維は消化酵素によって分解されない繊維質ですが、よく咀嚼して食べることは大事です。食品自体が繊維だけではなく消化器官で消化される成分も含んでいるからです。
また噛むことで分泌された酵素が腸へ届き腸内の働きを高める作用もあります。繊維質も大きすぎると腸に負担がかかりますので良く咀嚼しましょう。