妊娠中のスムージー摂取への疑問について

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スムージーが及ぼす妊娠中の影響について

妊婦

葉物野菜や果物を使ったスムージーは人気が高く、美容やダイエット効果も期待しつつ、妊娠中のサポート飲料として是非愛飲したいものです。

 

しかしお腹の赤ちゃんのことを考えた時に、様々な影響も噂される為、果たして安心して飲められるのか?といった危惧が妊婦さんにとっては払拭できないところです。スムージーの材料に葉物野菜を使う場合、しゅう酸や残留農薬、肥料による硝酸態窒素濃度などなど、生でいただくデメリットや懸念が否めないからです。

 

スムージーが妊娠中に影響を与えるのかは、医学的に解明されていないだけに個人の判断によって飲用するか?しないか?を決定するのが今現在の考えとされています。

 

お腹の中の赤ちゃんは、葉物野菜の成分を代謝できない

米国で、1950年代に起きた『ブルーベビー事件』というのがあります。赤ちゃんが、離乳食としてほうれん草の裏ごしを食べたとたん、真っ青になって死んでしまったというものです。

 

これはほうれん草など葉野菜に含まれる硝酸態窒素が原因とされています。正確にはメトヘモグロビン血症と呼ばれていて、血液中のヘモグロビンが、食物から硝酸態窒素を大量摂取した事により、酸素を運べないメトヘモグロビンになる疾患のことです。これにより、体内の臓器が酸欠状態になりチアノーゼとなり、最悪の場合は死にいたります。

 

妊婦と幼児

大人の場合は、メトヘモグロビンをヘモグロビンに変える、シトクロームb5還元酵素がきちんと備わっています。しかし乳児でこの酵素の活性度、働く割合は半分に満たないという事は、お腹の中の赤ちゃんはこの酵素が殆ど働かないという可能性があります。

 

欧米諸国では、この事例を受け、葉物野菜の硝酸態窒素の濃度を厳しく設定していますが、日本は野放しといっても過言ではないような状態です。

 

加熱すれば多少リスクが下がるようですが、生でいただくスムージーでは絶対に安心とは言い切れません。

 

心配な方は有機肥料や無農薬野菜などを利用するとよいかもしれませんが、無農薬や有機野菜であってもトキソプラズマなどの寄生虫による悪影響も否めません。必ずよく洗浄した葉物野菜を使用するようにしましょう。

 

妊娠中に受けるスムージーの影響を考える

葉野菜のしゅう酸について

ほうれん草

よくあるスムージーの不安材料に、葉物野菜の持つアク成分=しゅう酸のもたらす作用があります。ほうれん草やタケノコに多く含まれるしゅう酸は微量ながら全てのお野菜に含まれる独特の成分です。

 

俗説では体内のカルシウムと結合することで結石や骨粗鬆症を招くので妊娠中は特に摂るべきではないとの考えが広まっています。

 

しかし、これは偏った見方だと指摘する栄養学の権威もいらっしゃいます。実際に食べる普段の量では、既に結石や骨粗鬆症を患った方でのみ影響が出やすいとされています。

 

研究によると健康体であれば、しゅう酸成分が強いほうれん草であっても生で1kgを超える量を摂取しない限り悪影響が出ないことがわかっているからです。

 

食べ物にはそれぞれに栄養やメリットがあり、過剰に摂取すれば体に負担をかけることは当然ながら出てくるものです。量をほどほどにわきまえて、バランスよくスムージーを摂りましょう。あと心配な場合はほうれん草は避けておきましょう。

 

ダイエットでの飲用について

緑の血液といわれる、葉緑素を豊富に含むスムージーは栄養価が高いので、カロリー制限にも持ってこいです。妊婦さんでも置き換えダイエットに摂り入れる方もみえますが、お腹の赤ちゃんのことを考えるとダイエット目的での飲用は好ましくはありません。

 

たしかに栄養価にはすぐれていますが、胎児が育っていく過程では万遍なく食事を摂ることが一番大切です。ダイエット目的ではなく栄養の補助としてスムージーを飲用しましょう。

 

飲むだけで満腹感を得られますので、間食代わりに飲んでみるのもお勧めです。

 

様々な有害物質の付着について

葉物野菜は外部に触れる面積が大きい分、有害物質の付着が気になるところです。PM2.5や残留農薬、粉じんや花粉など空気中を漂う有害物質が葉脈の至る所にまで付着する懸念が否めません

 

また、生の状態はカンピロバクターや腸管出血性大腸菌などの細菌繁殖も心配です。なかなか水洗いだけでは取れない場合もありますので、今流行りの50度洗いや、酢や重曹などを加えたお水で洗うなどして、しっかりと付着物を洗い流しましょう。

 

最近では水耕栽培の小松菜や屋内生産のリーフレタスなどの出荷も盛んです。赤ちゃんへできるだけコンディションの良い状態で栄養を届けるためにも安全な葉物野菜を摂取したいものです。

 

体を冷やす作用について

スムージーに限らず、冷たい飲食物は体を冷やす作用から血液循環の働きを低下させてしまいます。妊娠中は特に赤ちゃんを一定の体温で守る必要があるため、体を冷やす飲食物の過剰摂取はNGです。

 

ミキサーにかけるときに氷を使わない、量を多く摂らないなど、常温で頂く工夫が必要です。

 

体を冷やすと胎児が自分の体を守ろうとして体脂と呼ばれる脂肪を体に付着させます。産道を通るときにベタベタとした体脂はスムーズな出産を阻害するともいわれますので、妊娠中は体を温める心配りを常に持ちましょう。

 

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