期待できる効果、やり方・注意点について
葉物野菜を丸ごといただくスムージーが今人気ですが、残留農薬やPM2.5などの心配もありますので、露地物では特に洗い方には気を使いたいものです。
そこで、お勧めなのが50度洗い。単に有害物質を洗い落とすだけではなく、次のようなメリットがあります。
50度洗いがもたらす効果
雑菌を除去(死滅)する
水分をしっかり吸収させるので鮮度の高い状態を長く維持できる
味や食感が倍増する
衰えのあるものでも、鮮度を復活できる
50度洗いのメリットが生み出される理由
葉物野菜は冷たいお水の方が、シャッキっと歯ごたえよく洗い上がるイメージが持たれます。しかし、実際には煮えそうな!?50度のお湯が抜群に効果を現します。
この理由はヒートショック作用が大きく働くことにあります。ヒートショックは細胞を活性化させる作用が着目され、入浴方法の一つとしても人気が高まっいる究極の生理活性現象を用いたものです。
メカニズムはシンプルで、葉物野菜の表面部にある気孔を開くのに50度が適していて、これによって細胞の隅々までに水分を行き渡らせます。葉物野菜は収穫された時点から鮮度の落ちが顕著に進行していますので、見た目以上に水分が不足しているのです。
水分がしっかりと細胞内に取り込まれることで、茎や根からの吸水以上に確実に鮮度を甦らせていきます。そして、元気になった葉物野菜は美味しさも倍層し、50度という高温が更に葉脈にこびりついた有害物質や雑菌を溶かすようにしっかりと除去します。
葉物野菜の50度洗い手順
ボールに50度のお湯を張り15秒〜30秒の間、葉物野菜を振るうように洗います。保存においても鮮度が長くなる50度洗いですが、スムージーでは頂く直前に行うのがお勧めです。
そして生で頂く性質上、雑菌をしっかりと洗い流す意味で小松菜なども株から離して一枚一枚をばらして洗いましょう。キャベツなどの巻き葉物も必ず一枚一枚の状態にします。
基本的には温度計を利用するのが理想ですが、毎日の食生活では手間がかかるところです。タップリ入るメジャーカップを使って、沸かしたてのお湯と常温の水を半々の量で合わせましょう。手をいれてみて、少し熱いと感じる程度の湯音で48度から50度になっています。目分量で半々にしてしまうと、効果が現われませんので気を付けましょう。
ボールとザルがセットになったもので洗うと水切りがしっかりでき、ベビーリーフやスプラウトなどの細かな葉物野菜を洗う際にも便利です。
覚えておきたい注意点
お湯の温度は低すぎないように
熱すぎると火を通す事と同じようになってしまいますが、低い温度はさらに厳禁です!葉に付着した雑菌が繁殖しやすい環境を作り、食中毒の原因に繋がります。初めのうちは温度計を使うようにして熱さの感覚を知っておくと良いでしょう。
洗ったら水切り&乾燥を必ず行う
洗ったままにしておくと50度のお湯が揮発して、葉物野菜の細胞内にせっかく取り込んだ水分も一緒に奪ってしまいます。また保存する場合には濡れたままの状態では、葉が溶けたようにベタベタとし、食べられなくなります。洗ったら必ず手早くザルで水切りをして、キッチンペーパーで優しく水分を拭き取りましょう。