酢生姜による効果は?作り方/食べ方/おすすめレシピまとめ

TV番組で紹介されてから、“酢生姜”が万能調味料として話題になっています。日々の食事にプラスするだけで健康促進効果も期待できることから、繰り返し作り、調味料として常備している方も多いようです。
酢生姜には、どのような健康促進効果が期待できるのでしょうか?
今回は酢生姜を摂取することで期待できる効果と、基本の作り方やレシピのアレンジ方法、保存方法などを詳しくご紹介します。
Contents
酢生姜を摂ることで期待できる効果は?
酢生姜を食事にプラスすることで、どのような効果が期待できるのでしょうか。
血管年齢を下げて生活習慣病を予防する
酢生姜には主に以下のような健康促進効果があり、血管の若返りや生活習慣病の予防が期待できます。
- 動脈硬化の改善
- 血圧を下げる
- 血糖値を下げる
- コレステロール、中性脂肪を減らす
人の血管は年齢を重ねるごとに徐々に硬くなっていきます。この動脈硬化の進行度を年齢に当てはめたものを“血管年齢”と呼びます。
生活情報番組「サタデープラス」では、10日間酢生姜を食事に加える生活を実践した小堺一機さんの血管年齢が-17歳も若返る結果が出ていました。また、血圧も150/95から140/89に、血糖値は151から95に低下していました。
酢と生姜の体内での働き
酢生姜に使われる酢と生姜には様々な効能があるため、以下のような健康促進効果も期待できます。上記の酢生姜の主な効果も合わせて、詳しくご紹介します。
酢の効能
- 疲労回復効果
- 内臓脂肪低下効果
- 高血圧抑制効果
- 血中脂質低下効果
- 食欲増進作用
- 便秘改善
酢の主成分は“酢酸”です。酢酸は体内でクエン酸に変換され、クエン酸サイクルを回す作用による疲労回復効果、血管拡張作用による血圧低下効果、血糖値やコレステロール値の上昇抑制などの効果が期待できます。
酢の成分が胃腸を刺激することで蠕動運動が促されたり、善玉菌を増やす作用による便秘改善効果も期待できます。お酢には唾液分泌作用があり、酸味が味覚や嗅覚を刺激することで夏バテなどの食欲不振時に食欲を増進させる効果もあります。
また、血圧を下げる効果は高血圧の場合にのみ起こり、低血圧の方や血圧が正常値の方が摂取しても血圧が下がりすぎることはありません。
生姜の効能
- 血流促進効果
- 免疫力向上効果
- 冷え改善効果
- コレステロール値の低下効果
- アンチエイジング効果
- ダイエット効果
- 頭痛や吐き気の抑制効果
- 消化促進
生姜に含まれるジンゲロールには血流を改善する作用があるため、体温を上げたり、代謝アップによるダイエット効果などが期待できます。
他にもジンゲロールには抗酸化作用によるアンチエイジング効果、白血球の数を増やすことによる免疫機能の活性化、抗セロトニン作用による頭痛や吐き気などの二日酔い症状の抑制、胆汁の排泄促進によるコレステロール値の低下などの効果も期待できます。
また、生姜を摂取することで胃腸が刺激され、消化を促す効果もあります。
酢生姜の作り方は?
酢生姜はどのように作るのでしょうか。酢生姜の基本のレシピと、レシピのアレンジ方法をご紹介します。
酢生姜の基本のレシピ
【材料】
・生姜 100g
・酢 100cc
・はちみつ 20g
【作り方】
(1)生姜を皮ごと微塵切りにする。
(2)煮沸消毒した保存容器に(1)と酢、はちみつを注ぎ、混ぜあわせる。
(3)冷蔵庫で1日漬け込み、完成。
作り方のポイント
生姜の有効成分は皮に多く含まれています。調理の際は生姜をよく洗って汚れを落とし、水気をしっかりと拭ってから皮ごと使用しましょう。
完成の目安とされている酢生姜の色の変化は、生姜に含まれるアントシアニンが酢に触れることで起こります。アントシアニンはpH値で色が変わる性質を持っており、アルカリ性のものに触れると青色に、酸性のものに触れるとピンク色になります。
生姜に含まれるアントシアニン量が少ないと色の変化が起こらない場合がありますが、酢に漬けてから1日置いていれば問題なく利用できます。
酢生姜レシピのアレンジ
お酢について
黒酢は酢の中でも栄養価が高く、必須アミノ酸を多く含むため、健康志向の方には特におすすめなお酢です。黒酢には大腸癌の予防効果があるという研究結果が出ているほか、黒酢に含まれるイノシトールには育毛効果もあると言われています。
リンゴ酢を使用した酢生姜は他の酢に比べてまろやかな仕上がりになりますので、酢が苦手な方にはリンゴ酢がおすすめです。
生姜について
生姜の食感や辛味が苦手な方は、すりおろした生姜で作る酢生姜がおすすめです。生姜は繊維が多いため、繊維を断ち切るようにすりおろすか、一度微塵切りにしたものを他の材料と合わせてミキサーにかけると、繊維が残りにくくなります。
添加物の入っていない生の生姜がおすすめですが、チューブや粉末の生姜を使えば手軽に作ることが出来ます。
生の生姜には水分が90%含まれていますので、粉末生姜や乾燥生姜を使用する際には酢100ccにつき10g程度の分量を目安にしてください。
また、粉末・乾燥生姜を使用する際には生姜の水分が溶け出さないため、酢の比率が多い出来上がりになります。食事にプラスする際には、基本の酢生姜の半分程度の分量を目安に使用しましょう。
スライスした生姜で作る酢生姜は2~3週間ほど日持ちしますので、一度にたくさん作る場合にはスライス生姜がおすすめです。
長期保存が可能なガリのレシピをご紹介します。
【材料】
・生姜 500g
・塩 25g
・米酢 1L
・砂糖 100g
・はちみつ 30cc
【作り方】
(1)煮沸消毒した保存容器を用意し、米酢、砂糖、はちみつを混ぜあわせる。
(2)スライスした生姜に塩を振り、熱湯に1分ほどくぐらせる。
(3)(2)の水気をよく切り、冷ましてから(1)の甘酢液に2~3日漬け込む。
ガリの特徴ガリは生姜と甘酢を原料にするため、酢生姜と同様の健康促進効果が期待できます。
調味料の分量が多いために酢生姜に比べ長期保存が可能なところが特長で、雑菌に気をつければ半年~1年ほど保存がきくと言われています。保管場所は冷蔵庫がおすすめです。酢生姜と同じように、ちょい足し食材として利用できます。
はちみつについて
はちみつには殺菌効果があるほか、酢と混ぜあわせることで酸味をまろやかにするため酢生姜の材料として最適ですが、はちみつを用意できない場合には、甘味料を砂糖や黒糖、オリゴ糖などに置き換えても作成可能です。
砂糖やオリゴ糖ははちみつとは甘味度が異なりますので、お好みで分量を調節してください。目安として、上白糖の場合は26g、オリゴ糖の場合は35~40g程度がはちみつ20gと同等程度の甘さになります。
酢生姜の保存方法は?
消毒した瓶やタッパーなどに入れ、冷蔵庫で保管します。生姜から水分が出るため、常温保存には向きません。
金属製の容器は酢に含まれる酸で腐食(錆)が起こる場合がありますので、耐酸性のあるタッパーやガラス瓶、ホーロー容器などを使いましょう。金属製の蓋の瓶を使用する際は、瓶の口と蓋の間にラップを挟み込むことで腐食を防止できます。
酢生姜の保存期限は1週間~10日ほど
微塵切りやすりおろした生姜を使用した場合は1週間~10日ほど、スライスした生姜で作る場合は2~3週間ほどもつとされています。
水分や雑菌が混入すると腐敗の原因になりますので、保存期限内であってもできるだけ早めに食べ切るようにし、カビの発生や傷んだような味・ニオイがしたら利用を中止してください。
冷凍保存も可能
期限内に使いきれない場合には、冷凍保存も可能です。製氷皿を使用すれば調理時にも便利です。冷凍した酢生姜は2ヶ月程度を目安に食べきりましょう。
酢生姜の食べ方のポイントは?
酢生姜の食べ方、調理のポイントについてご紹介します。
摂取量の目安は大さじ一杯
酢生姜は一日あたり大さじ一杯を数回に分け、毎日続けて食べることで健康促進効果が期待できます。
酢生姜の味が苦手な場合
酢生姜を作ってみたけど美味しくない、子供が食べない、という場合には調理方法を工夫してみましょう。
酢生姜は加熱することで酸味が抑えられ、酢が苦手な方やお子様にも食べやすくなります。酢の栄養成分や健康効果は加熱調理をしてもかわりません。
また、生姜は加熱することで体を温める効果のある“ショウガオール”という成分が増えますので、冷え性の方にも加熱調理がおすすめです。火にかけるのが面倒な場合には、使用分だけレンジで温めても。
固形の生姜は咀嚼時に辛味や癖を感じやすいので、ミキサーにかけてペースト状にすると生姜が苦手な方にも扱いやすくなります。
酢生姜は肉や魚との相性が抜群
酢には肉を柔らかくする作用があり、生姜は肉や魚の臭みを取り除く効果があります。また、油分と混ざることで酸味や辛味がまろやかになりますので、酢生姜の味が苦手な方は特に肉料理に合わせて使うのがおすすめです。
酢生姜を使った食べるおすすめレシピ
酢生姜の“食べる”レシピをご紹介します。
ごはんがメインのレシピ
出典:cookpad.com
アサリの出汁がきいた炊き込みご飯は酢生姜との相性がとても良いです。生姜部分を多めに入れることで味が引き締まります。
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バターをいれることで酸味がマイルドになります。おにぎりやお弁当にもおすすめです。
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鶏肉を使った基本の炊き込みご飯です。鶏肉の油分で酸味がやわらぎます。
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炒めた具材をごはんに混ぜあわせる簡単レシピのチャーハンです。調味料に酢生姜を使用しています。
お肉がメインのレシピ
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定番の生姜焼きは酢生姜を使うことでさっぱりとして食べやすくなり、コクが深まります。お弁当にもおすすめです。
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鶏肉料理の定番のさっぱり煮です。手羽先を使用しているので旨味がたっぷりです。
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ひき肉は豚に置き換えても。刻んだゴボウやきのこ類、ネギ類など加えてもおいしいです。冷奴にかけたり、おにぎりの具にもおすすめです。
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生姜と相性の良い牛肉のしぐれ煮は、酢生姜を使用してもおいしく出来上がります。
魚がメインのレシピ
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レンジで時短調理が可能な鯖の酒蒸しレシピです。酢生姜で臭みがとれ、あっさりと食べられます。
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梅干しと酢生姜を使ったいわしのさっぱり煮です。あっさりとした味で食欲のないときにもおすすめです。
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油で揚げたサンマを甘酢に漬けた南蛮漬けです。調味料を酢生姜に置き換え、好みで砂糖を足します。
野菜がメインのレシピ
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酢生姜のちょい足しにおすすめの、基本の野菜炒めです。生姜の微塵切りを酢生姜に置き換えます。
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衣に酢生姜を混ぜた玉ねぎのかき揚げです。油であげることで酢生姜の味が柔らかくなるため、他の野菜天ぷらに加えても。
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箸休めにおすすめの、酢生姜で作るきゅうりの酢の物レシピです。塩昆布を入れることで旨味がアップします。
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ポン酢醤油と生姜チューブの代わりに酢生姜を使用すれば手軽に作ることが出来ます。
タレ・ソース・ドレッシングのレシピ
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魚のソテーや、唐揚げ・竜田揚げ、しゃぶしゃぶなど色々な肉料理におすすめな使いやすい香味ソースです。
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ピクルスの代わりに酢生姜を使用したタルタルソースです。すっきりとしたキレのある味で、揚げ物などのこってり料理によく合います。
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酢生姜とマヨネーズを混ぜあわせるだけの簡単なドレッシングです。温野菜との相性も良いです。
デザートのレシピ
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バニラアイスに酢生姜をかけるレシピはTV番組「サタデープラス」でも紹介されていましたが、こちらのレシピは黒蜜をかけることで更に食べやすくなっています。
酢生姜の飲み方のポイントは?
酢生姜は味噌汁やスープにプラスするほか、ドリンクにしても手軽に摂ることが出来ます。ここでは飲み方のポイントやおすすめのレシピを紹介します。
酢生姜はそのままでは酢がきついため、飲用時には5倍以上の水分で割るようにします。
食前の飲用は胃腸に負担がかかりますので、ドリンクは食事と一緒に摂りましょう。酢には食欲を出す効果があるため、ダイエット中の方は食後に摂るのがおすすめです。
酢生姜のおすすめドリンク・スープレシピ
ドリンクやスープのレシピは、料理に使用した後の残った酢の活用にもおすすめです。
汁物・スープのレシピ
出典:cookpad.com
溶き卵と鶏ガラの中華風スープです。材料の生姜と酢を酢生姜に置き換えます。唐辛子やラー油を加えると本格的な味になります。
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調味料の酢と生姜、砂糖半量を酢生姜に置き換えます。さつまいもの代わりにじゃがいもを入れたり、ごぼうを足してもおいしいです。
ホットドリンクのレシピ
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酢生姜は生姜の成分が酢に溶け出していますので、酢の部分だけで使用しても。お湯ではなく、水や白湯で割っても飲みやすいシンプルなレシピです。お好みではちみつを足してください。
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酸味のあるジンジャーティーのようなお味で飲みやすいです。紅茶にも体を温める効果がありますので、冷え性の方におすすめです。
アイスドリンク・スムージーのレシピ
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甘味料ははちみつやオリゴ糖でも。甘みのある炭酸飲料で割れば、酢生姜を混ぜるだけでおいしくいただけます。
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甘みの強いバナナをメインにしたスムージーは、酢生姜を入れても飲みやすくおすすめです。お好みで林檎を足しても。
酢生姜を摂る際の注意点は?
酢は胃腸や喉への刺激が強い食品です。胃痛や腹痛、喉の炎症、口内炎などの症状がある場合には悪化の原因になりますので、摂取を控えましょう。
酢の酸には歯のエナメル質を溶かす性質があります。知覚過敏症などの原因になりますので、飲食後には歯磨きやうがいをして口内の酢を洗い流しましょう。
健康促進効果が話題の酢生姜ですが、過剰摂取は喉や胃腸に負担がかかり、かえって健康を害する可能性もあります。
健康促進効果には個人差がありますが、一日の摂取目安量(大さじ1杯)で十分な効果が期待できますので、健康に良いからと食べ過ぎないように気をつけましょう。
酢生姜は比較的保存のきく食材ですが、調理の際に雑菌や水分が混入すると傷みやすくなります。酢生姜を利用する際は清潔な調理器具で必要分だけ取り、すぐに冷蔵庫にしまいましょう。
まとめ
酢生姜はあくまでも食品ですので、健康促進効果には個人差があります。
また、一度に多量に摂取するのではなく、毎日少しずつ長期的に摂取し続けることが重要です。過剰摂取にならないよう気をつけましょう。
体質に合わないようでしたら摂取を控えたり、摂取量を減らすなど体に負担をかけないようにしましょう。