朝食抜きには賛否両論あり!健康へのメリット&デメリット

朝食を抜くことは、体に良い作用をもたらすのか?それとも悪い作用をもたらすのか?その真意は対立の位置にあります。
しかし2011年に、空腹状態が健康に繋がるサーチュイン遺伝子の効果が実証され、朝食を抜くことが体に良いという考えが昨今定着しつつあります。
この遺伝子学には、近年の食が豊な世の中とは違い、それ以前の質素な食生活を歩んできた私達人間が乏しい栄養状態の中で生き抜くために、必然的に備わった防御能力が凝縮して得られる健康効果があるという説が有力になってます。
そして、受け継がれたサーチュイン遺伝子を活性化させることこそが健康への近道であり空腹がサーチュイン遺伝子の働きを高めることがわかっています。
Contents
朝食抜きがもたらすメリット
ミトコンドリアを増やして代謝をアップするサーチュイン遺伝子
サーチュイン遺伝子とは、夢の若返り遺伝子ともいわれる誰もが細胞内に持つ長寿遺伝子です。
加齢に伴う身体の様々な老化要因を、自食作用という細胞の更新システムを行って抑制して、エネルギー源になるミトコンドリアを増やす働きから細胞にダメージを与える活性酸素を体内から除去していきます。
ミトコンドリアは細胞内に存在する、わずか1ミリメートルの1000分の1の大きさですが、分解して細胞に取り込まれた食事からの栄養分を糧にして、更に栄養成分を体内に必要な電子エネルギーに変換して放出します。
このミトコンドリアは細胞が活性化しているかの判断にも一役買っていて、エネルギーを沢山使う細胞ほどミトコンドリアが多く、太りにくい体質への基礎を作っていることが推定されます。
実際の働きからも類推されるように、サーチュイン遺伝子を活性化することこそが、若々しい体を作り上げる秘訣に繋がるのです。
空腹がサーチュイン遺伝子の働きを高める
サーチュイン遺伝子の最も大きな特徴が、活発に活動するタイミングです。
インスリン分泌が体内で生じると自食作用がストップする仕組みを持ち、インスリン分泌がされない空腹時に活性化して健康効果を齎します。
空腹状態を自然な形で摂り入れるのに効果的なのが、毎日の食事を腹7分目にして摂取カロリーを全体の25%ダウンさせる方法です。
個人によって1日の摂取カロリー推定量が異なりますので、厚生労働省のHPを参考にして基礎代謝量を押さえて、エネルギー推定量を算出したうえで、25%のカロリー減を実践すると良いでしょう。
しかし、なかなかカロリーを毎日の中で気に掛けるのには根気が伴います。そこで、朝食抜きが有効との見解があります。
朝食抜きは晩ご飯からの空腹時間も長くなることから、サーチュイン遺伝子も活発になりやすく、且、朝食抜きを実践すると25%減のカロリー制限が可能であるからです。
更に言及すると1日1食が最も良い空腹状態を作るようですが、無理をせず朝食や夕食を軽めにして徐々に朝食抜きに切り替えていきながら体質にあったカロリー制限=空腹状態を作るのがベストです。
空腹状態(朝食抜き)から得るメリット
・糖尿用、動脈硬化、認知症、難聴の予防効果。
・細胞の新生と修復効果。
・ミトコンドリアの増殖作用。
・過剰タンパク質や古くなったミトコンドリアの除去作用。
・脂肪燃焼効果。
・シミしわなどの肌質改善に繋がるターンオーバー周期の正常化。
・健康増進作用。
・体温を上げて免疫機能を高める。
・排泄作用をスムーズにする。
・ホルモン分泌と自律神経の調整作用。
朝食抜きが及ぼす体への影響と対策
朝食抜きが有効な健康効果に繋がることは、サーチュイン遺伝子の働きから裏付けられるようになり、テレビ番組などでもメリットをこぞって特集しています。
しかし、カロリー制限過多になる一面もあり、無謀な朝食抜きを実践すると健康効果を損ねてしまう影響が考えられます。
実際に、胃潰瘍や糖尿病の罹患者においては朝食抜きが推奨されていないことからも、個人によっては健康に影響を与える要素もあるのは否めません。
まだまだ、賛否両論の朝食抜きの健康効果ですが、正しく行うためにもしっかりと特性を理解する必要があるといえます。
朝食抜きから考えられる影響について
朝昼晩、きちんと3食バランスよく食べる定義では、朝食抜きのスタイルはNGといわれます。このようなデメリットの観点から考えられる影響には次のような内容があげられます。
・脳や赤血球にエネルギー源のブドウ糖が補給できないので、神経伝達物質が合成できなくなり自律神経や代謝作用を乱してしまう。
・排便作用が阻害されてお通じが悪くなることで、腸内環境が悪玉菌の温床に誘発される。
・空腹により食欲が高まり、過食傾向に陥りやすくなる。
・栄養吸収作用が強く出すぎる為に、内臓などに過剰脂質を溜めこんでしまう。
・満腹中枢が満たされないので苛々したり精神的に落ち着かなくなる。
・ブドウ糖の備蓄であるグリコーゲンが枯渇しやすくなる。
・栄養が体に行き渡らず集中力が低下し、感覚が鈍るので日中頭がぼーっとする。
・体温が低くなり、免疫機能などの身体調整作用が下がる。
・栄養失調に偏り気味になり、酷くなると低アルブミン血症を発症する。
影響を避けるために
どんなによい健康法であっても、誤った仕方によって影響を及ぼしてしまうものに傾きます。朝食抜きの場合においては、まずカロリーを摂取しつつきちんと栄養を摂ることが大切です。
糖質や脂質の多い食べ物は極力控えめにして、体内酵素を活性化させるお野菜を種類を多く摂取するように心がけましょう。
効果を影響なく高めるために参考にしたいのが、空腹状態で活性化する長寿遺伝子を働かせるためのカロリー摂取量です。
総エネルギー量を1日1500kcalに設定したときに、お野菜を700g食べる食事内容が推奨されています。
理想とする総エネルギー量は厳密には基礎代謝量や身体活動レベルによって異なりますが、少なくとも厚生労働省の推奨量=1日あたり350gの野菜を摂取するように配慮しましょう。
また、気を付けたい事柄も以下のようにいくつかありますので、普段の生活と照らし合わせて影響を避けるために発展させるのも得策です。
朝食抜きを良い方向にするための対策
・間食と夜食の摂取は我慢しましょう。
・適度な運動を毎日行い、代謝効率の良い身体状態を維持しておきましょう。
・単純糖質を含む缶コーヒーやキャンディー、ケーキなどはインスリン分泌を急激に高めて、血糖値を上昇させるので摂取を控えましょう。
・食べたものを十分に消化をさせる為に、晩御飯は遅くても夜8時までに食べるようにしましょう。
・空腹を感じたらすぐに食事をするのはNGです。お腹が空いてから30分から1時間を置いてから食事を摂るようにしましょう。