検査にかかる費用や各特徴について
日本人のピロリ菌保持者は実に3500万人に及ぶと言います。癌などの深刻な病気にも繋がる背景から症状が出る前から、検査によってピロリ菌の有無を調べることができます。
しかし、いざ検査に臨もうと思っても、胃潰瘍や慢性胃炎の罹患が明らかなケースでは保険が適用されますが、その他の場合は現状では自費診療扱いとなって初診料や診察費をあわせて約1万円かかる医療機関が大半になっています。
ピロリ菌検査は6つの方法が確立
簡単なものでは便中抗原法といって、採取した便の検体を直接顕微鏡で探す方法がありますが、あまり一般的ではありません。
主に、内視鏡を使う迅速フレアーゼ、鏡検法、培養法が一般的ですが、3つとも胃の組織の一部を採取して検査する内容であることから胃の全体に亘っての検査に至らないとの声も高まっています。
最近では抗体側定といって自分で尿や血液を微量に採取して、検査ができる通販型のキットも充実しています。人を介さないので、検査費も含めて大体5千円程度で行うことができ、宅配業者を通じてのやり取りになりますので忙しい方にお勧めです。
ここ数年主流になっているのが尿素呼気試験です。ピロリ菌が尿素を分解して有毒物質を排出するプロセスに着目したもので、目印になる尿素を吸って呼気として排出されることでピロリ菌が存在するかどうかを確かめます。6つの検査方法のなかで、最も体に負担がかからないので安心感が持てます。
ただし、尿素呼気試験は慢性胃炎の場合除菌薬を処方するにあたって、内視鏡検査を再度実施して判断をつけるところが多いので、その分費用がかさみます。事前に医療機関に問い合わせてみましょう。
検査方法一覧
内視鏡によって組織を一部採取する検査
迅速ウレアーゼ試験
採取した組織を特殊な反応液に入れて、ピロリ菌が排出する尿素分解酵素の有無を調べます。反応液の色に変化が見られた場合にピロリ菌の存在が明らかになります。
培養法
専用のシャーレ内で採取した組織を培養して、ピロリ菌の有無を直接顕微鏡で確認します。
鏡検法
採取した組織そのものに特殊な染色を施して組織標本を作り、顕微鏡下でピロリ菌を探します。
内視鏡を使わない検査
抗体測定法
血清尿中抗体検査、ヘリコバクターピロリ抗体測定法ともいいます。ウィルスに感染すると人体内に抗体ができる働きを取りいれたオーソドックスな検査です。採取した尿や血液、唾液中にピロリ菌感染による抗体があるかを調べて有無の判断をつけます。
糞便中抗原測定
顕微鏡で直接便をみることで、ピロリ菌の有無を調べます。
尿素呼気試験
検査薬を服用して服用の前と後の呼気を検査用の袋に採取します。検査薬に含まれる尿素が目印となり、ピロリ菌の排出するアンモニアの有無がわかります。6つの中で最も精度が高い評価を受けている検査になります。
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