産後に必要な栄養素と食材について
産後ダイエットで出産前の体重に戻したいなら、運動も大切ですが、同じくらい食事管理も大切です。
他のページでお話しましたが、1日に必要なエネルギー量は18〜29歳で1950kcal、30〜49歳で2000kcal、授乳中の産後ママは、さらに350kcalが必要になってきます。
カロリーさえ守れば何を食べても問題ないのかと言うと決してそうではなく、五大栄養素と言われている「炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル」が含まれている食材をバランスよく食べる事が重要です。
産後や授乳中のママが不足になりがちな4つの栄養素とは?
産後ママの場合、母乳作りなどの影響で不足しがちになる栄養素がいくつかあります。
鉄分
分娩時や産褥期間などの大量出血などの影響で鉄分が不足ぎみになっています。鉄分はヘモグロビンという赤血球に含まれるたんぱく質を作る主な材料です。赤血球は体中に酸素を運搬する役割があり、不足すると貧血を起こします。
摂取量の目安
成人女性 6.5mg 授乳時の産後ママ 9mg
食品(100gあたり)
豚レバー 13mg、鶏レバー 9mg、いわし 4.4mg、あさりの佃煮 18.8mgなど
動物性食品に含まれるヘム鉄は、植物性食品に含まれる非ヘム鉄と比べて吸収率が高いので、鉄分目的での摂取であれば動物性食品から摂るのがおすすめ。
カルシウム
赤ちゃんの丈夫な骨や歯を作るのにカルシウムが使われます。また産後ママは、出産により骨や歯が弱くなると言われており、カルシウム不足によって骨粗鬆症を起こす原因にもなります。
摂取量の目安
成人女性 600mg 授乳時の産後ママ 900mg
食品(100gあたり)
牛乳(低脂肪乳) 130mg、プレーンヨーグルト 120mg、ひじき(乾) 1400mg、いわしの丸干 440mg、桜えび 690mgなど
ビタミンDやクエン酸と一緒に摂ると吸収率が高まります。ただし食物繊維を過剰摂取してしまうと吸収の妨げになる事がありますので注意が必要です。
葉酸
細胞の分裂や赤血球の生成に必要な栄養素で、出産によって傷ついた子宮の回復を促進したり、貧血の予防にも必要になっています。もちろん赤ちゃんの成長にも欠かせません。
摂取量の目安
成人女性 240ug 授乳時の産後ママ 340ug
食品(100gあたり)
鶏レバー 1,300ug、牛レバー 1,000ug、豚レバー 810ug、えだまめ 260ug、モロヘイヤ 250ugなど
亜鉛
細胞分裂やたんぱく質の代謝に必要な栄養素です。産後ママの体の回復や赤ちゃんの成長に欠かせません。
摂取量の目安
成人女性 9mg 授乳時の産後ママ 12mg
食品(100gあたり)
豚レバー 6.9mg、牛の肩ロース 4.6mg、牛のひれ肉 4.2mg、たまご 4.2mgなど
食物繊維を過剰摂取してしまうと吸収の妨げになる事がありますので注意が必要です。
「まごわやさしい」の食生活を意識する
1日に必要な栄養バランスのとれた食材を表す「まごわやさしい」という合言葉に当てはまる食材をまんべんなく摂れるように意識して献立を考えてください。
ま(まめ)→豆類
枝豆、大豆、豆腐、小豆、納豆、油揚げ、高野豆腐など
ご(ごま)→種実類
ごま、アーモンド、くるみ、栗など
わ(わかめ)→海藻類
ワカメ、ひじき、昆布、海苔、もずくなど
や(やさい)→野菜類
ニンジン、タマネギ、レタス、キャベツ、ホウレン草、ゴボウなど
さ(さかな)→魚貝類
サバ、鮭、ししゃも、サンマ、イワシ、マグロ、カツオ、イカ、ホタテなど
し(しいたけ)→キノコ類
椎茸、エノキ、エリンギ、なめこなど
い(いも)→いも類
じゃがいも、さつまいも、里芋、山芋など
さらに意識して取り入れたいもの
脂質(オメガ3系の油)
亜麻仁油、シソ油、エゴマ油、インカインチオイルなど
体内で生成できない必須脂肪酸に分類される良質な脂質で、味にクセがないので、サラダのドレッシングの他、色々な料理にかけて取り入れることができます。インカインチオイルは酸化しにくいので炒め物の油としても使えます。
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麹
塩麹、醤油麹、甘酒など
お肉や野菜などの下準備として使う事で、麹に含まれる酵素により、臭みが取れたり、食材の栄養分が分解され、うまみ成分が出てたり、体内での消化の負担も少なくなります。
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産後ママには良質なたんぱく質が必要不可欠
特に産後ママの場合は、出産によって傷ついた骨格を始め、筋肉・生殖器の生成や修復させる為に、良質なたんぱく質が必要不可欠ですので、肉類(特に牛肉や豚肉)も意識して取り入れてください。
牛肉は、カロリーや脂質などが多いことから産後の食事に不向きだと思うかもしれませんが、肉類の中でも特に牛肉にはL-カルニチンという脂肪の燃焼を促進してくれる物質や授乳中の産後ママが意識して摂っておきたい鉄分や亜鉛などのミネラルも豊富に含まれていますので、産後の食事から牛肉を外す理由はないと思います。
あと牛肉にも国産と海外産がありますが、国内産の牛肉は柔らかくする為に穀物類を餌にしています。L-カルニチンは牧草を食べている牛肉の方がL-カルニチンがたくさん含まれていますので、スーパーで購入する場合は、国産牛ではなく、オーストラリア産のオージービーフを選ぶようにしてください。
ただし牛肉や豚肉を選ぶ場合は、脂質が少ないヘレやモモ肉を選ぶようにしてください。
もちろん魚にも良質なたんぱく質が含まれていて、肉類よりも消化に負担がかからないというメリットがあることから、昼食には肉類、夕食には魚貝類を摂るのもおすすめです。
どちらにしても良質なたんぱく質は、最低でも1日1食、できれば2食、1食で80〜100g程度の肉類(牛肉、豚肉、鶏肉)または魚(鮭、サンマ、サバなど)をバランス良くローテーションさせて摂るようにしましょう。
乳児に気を付けたい必須脂肪酸の不足
離乳食への移行期など、何かと栄養摂取に気を配る乳児期において必須脂肪酸は大切な栄養素です。不足する状態が続くと、発育遅延にも繋がる必須脂肪酸欠乏症にかかる恐れがあります。
症状としてはボロボロと剥がれるような皮膚の状態=鱗屑状皮膚炎がみられますが、乳児期に多い脂漏性湿疹と間違えがちです。いつまでも皮膚の剥がれが続くようなときには皮膚科に受診して見極めてもらうと良いでしょう。
その他にも脱毛、血小板減少などを発症しやすくなります。脱毛は床ずれと思われるお母さんも多いようですが、抜ける量が多いかどうか必ずチェックしましょう。
必須脂肪酸欠乏症と聞くと、大事に感じますが治療を受ければすぐに良くなります。治療内容としては普段の離乳食に必須脂肪酸を加えるという方法で、小さなお子さんも安心して回復が望めます。
離乳食のワンポイント
必須脂肪酸は体を形成するうえで細胞膜や皮膚を健やかに保つために必要な物質です。量は多くなくても食事で取り入れることで十分に栄養をまかなえるので、離乳食にバランスよく加えるようにしてみましょう。心配なようならばリノレン酸を含むスキムミルクを使うのも一つの手です。
海藻由来のアガー粉で乳児にも食べやすいミルクゼリーを作ったり、お豆腐のすり流しにクルミを擂ったものをふりかけたり、アイデア次第でお子さんが喜ぶメニューのレパートリーが広がります。
ただし口の周りが赤くなるなどのアレルギー症状が見られた場合は食べさせるのをやめて、かかりつけの小児科を受診しましょう。
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