症状例や皮膚トラブルとの関連性について
ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、虚血性心疾患、自己免疫疾患などに移行しやすい状況を作り出す油断のならない細菌です。
幼少期での感染が大半を占めますが、保菌者となっても症状の出方には個人差があり自覚症状が全くないという方もみえます。
しかし、胃癌患者に100%ピロリ菌が存在することがわかった今日では、早急に手を打つためにもピロリ菌を排除する必要があります。
その手がかりとして、症状や取り囲む環境が治療への手立てとなりますので、どのような症状が出るか、どのような状態が保菌率を高めるのか把握しておきましょう。
もしかしてピロリ菌!?
ピロリ菌によって出現する症状には次のようなものがあげられます。
症状例
ガスや、便臭がきつくなった。
市販の胃薬を飲んでも全く胃もたれが改善されない。
疲れやすく、疲労が溜まると吐き気をもよおす。
嫌なことなどストレスを感じると胃のあたりがキリキリと痛みだす。
胃が重たいような感覚があり、何も食べていないのに膨満感がある。
お腹が一杯なわけでもなく、前回の食事から時間が経っているのに食欲がない。
胃もたれがあり、二日酔いのようなムカムカした状態が続き、吐き気も伴うことがある。
炭酸飲料をグッと飲んだ時のような胸やけを感じて、顎の唾液が生じる分泌腺もしくしくと痛む。
空腹時になると胃がきりきりと刺しこむように痛くなり、時には息もできないほど痛みがきつくなる。
歯磨きをして臭いを放つ食品を食べていないのに、酸っぱいような独特の口臭がある。
意外な皮膚症状に注意!
ピロリ菌による影響に蕁麻疹などの皮膚トラブルがあるのをご存知ですか?
皮膚症状の原因がわからず、上記の症状例が当てはまるケースではピロリ菌に感染している疑いがみられます。
ピロリ菌の影響は胃や十二指腸だけのものと捉われがちですが、ウレアーゼといわれる毒素を産生する性質から、全身に毒素が行き渡る結果として蕁麻疹を発症するメカニズムを持つのです。
蕁麻疹にはいくつかのタイプがありますが、ピロリ菌の場合は病巣感染による蕁麻疹に分類されます。浮腫みや皮膚の赤み、細かな発疹など尋常ではない痒みが特徴で、なかには痛みや熱感を伴うケースも報告されています。
治療としては蕁麻疹同様の対処になりますが、放置しておくと皮膚の乾燥が極度に進み表皮がごそっと脱落を起こすこともあります。
また、アトピー性皮膚炎にも移行しやすくなりますので、痒みを我慢しないで早急に医療機関を受診するようにしましょう。
最近では内臓の病気から皮膚疾患を発症する方も多く、内科と皮膚科の両方を扱う個人の診療所も増えていますので、ピロリ菌の検査も併せて受けると良いと思います。
自覚症状がない場合でのピロリ菌の確認
ピロリ菌は遺伝的要素によって受け継がれている場合もあります。遠くは8千年もの前の時代から、ピロリ菌が遺伝子的に存在することが明らかにされています。
何となく胃の調子が思わしくない体調不良が代々受け継がれていたり、親族にピロリ菌保持者がいる場合にはピロリ菌の感染の可能性があるかもしれません。
また、不衛生な環境でもピロリ菌に感染する可能性が高く、日本においては戦後の上下水道が整っていない世代での感染率も顕著なことから、年配層では特に警戒が必要といえます。
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