母乳との共通点や摂取の際のポイントや注意点について
母乳とオリーブオイルは全く別物でありながら、成分では赤ちゃんに有用であることが類似しています。二つに共通している成分とは、オレイン酸です。
一価不飽和脂肪酸と呼ばれる、体の健康を維持するうえで非常に重要な脂肪酸です。大人の摂取では悪玉コレステロールを低下させるなど、優れた抗酸化力によってあらゆる身体不調に効果を期待できることで知られていますが、赤ちゃんにおいても重要な成分を担う作用がわかっています。
お母さんの母乳産生のためや、卒乳してからの離乳食期の赤ちゃんにも適していますので、オリーブオイルの恵みを十分に摂取させてあげましょう。
オレイン酸は赤ちゃんのエネルギー源
母乳を介して赤ちゃんに渡る栄養源の主なものに脂肪酸があります。脂肪酸は赤ちゃんの発育には欠かせないエネルギー源で、エネルギーの50%を脂肪酸によって賄っています。摂取された脂肪酸はオレイン酸と呼ばれるものですが、脳の発育に役立ちます。
具体的には脳細胞を取り囲む細胞膜の構成成分となるのですが、成長していくうえで大切な脳の神経系統を構築をしていくのです。
しかし、実際の食生活が乱れていると良質な脂肪酸を含む母乳が産生できず、赤ちゃんの生育に影響を与えてしまう懸念があります。とくに脂肪酸は過剰摂取によって悪玉コレステロールを増殖させる種類のものもあり、良質な母乳を産生するために食生活での配慮が必要になります。
そこで、推奨されているのが母乳の成分と同じ脂肪酸=オレイン酸を豊富に含むオリーブオイルの摂取です。カロリーも高く、栄養価にも富んでいるので産後の健康維持にも非常に有効です。
抗酸化物質であるフィトケミカルも含まれますので、風邪を引きやすい産後ママの自然治癒力の増強にも繋がります。また、同じ効能を母乳を介して赤ちゃんにも与えることができます。
良質なエクストラバージンオイルを選びましょう
ミルク派の母乳期ではオリーブオイルを粉ミルクの栄養サポートに加える方もみえます。量は哺乳瓶に対して2滴〜3滴が適切です。うんちの出も良くなるとママたちの間では好評です。
オリーブオイルの赤ちゃんへの摂取は日本ではまだ馴染みが薄いものですが、ヨーロッパ圏では古くから赤ちゃんに飲ませる習慣が根付いています。離乳食では生後6か月ごろから利用するのがベストで、1日に小さじ2杯から4杯を飲ませている家庭が多くみられます。
ヨーロッパ栄養消化器肝臓学会やスペインの小児科学会でもオリーブオイルの摂取推奨が勧められている背景から、日本でもようやくオリーブオイルの持つオレイン酸の母乳と同じ栄養分が評価されつつあります。
ただ、心配なのがオリーブオイルの品質です。スーパーで簡単に手に入るものは赤ちゃんには向かない品質であるものが多く、脱臭や他のオイル添加などの加工が気になります。
まだ胃腸の働きが未発達な赤ちゃんでは、摘みたてのオリーブ果実を絞ったフレッシュなジュースのようなエクストラバージンオイルの中でも、更に安心と信頼のおけるボトリング環境で作られたものが適しています。
赤ちゃんのために確かな品質を選ぶポイント
品質の良いエクストラバージンオイルの基準は酸度が0.8%以下ですが、赤ちゃんでは0.2%以下ができれば理想です。酸度が低いほど脂肪酸の遊離が少なく、酸化しにくい上質なオイルである証になります。
オリーブ果実では残留農薬が気になるところです。認証制度をしっかり持っているものや、オーガニックであるものを選ぶようにしましょう。日本では有機JASマークを目印に選ぶのがポイントです。
オリーブオイルは早摘みの果実ほどスパイシーな刺激や香りが特徴になります。赤ちゃんの舌には些か向きませんので、苦みがマイルドで、香りもフルーティーなスィートタイプのエクストラバージンオイルを選んであげましょう。
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