胆石の治療情報まとめ

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治療が必要になってくるケースと治療法について

医者

胆石は症状が出なければ特に治療に踏み切ることはなく、要観察で様子を見ていくことが一般的です。しかし、長期間体内に胆石を放置したままにしておくと、胆石が胆嚢内に刺激を与え続けて胆嚢癌に移行するケースもありますので、個人で判断をしないで必ず定期的に受診をしてその都度胆石の様子をチェックすることが大切です。

 

胆石の治療は症状が出ないケースであっても次に該当する状態にある方は治療を進めます。

 

胆石症状がなくても治療をするケース

胆石の数

胆嚢内に小さな胆石が沢山見られるケースでは、胆嚢の収縮運動によっていつ胆石発作が起きてもおかしくない状態です。数が多いほど処置が遅れたときに重篤な事態を招きますので、治療をして症状が出ない状態にしていきます。

 

胆石の大きさ

胆石が大きければ大きいほど胆石発作のリスクは高まります。また、大きな胆石を抱え込んだ胆嚢は胆石の負担がかかり、一時的に胆汁を蓄積できなくなり機能が低下してしまいます。肝臓からの連携した働きも影響を受けますので、大きな胆石は除去されるのが一般的です。

 

患者さんの年齢

胆石の数や大きさの有無に関わらず、小児から20代の若年者では早急に胆石に対する治療を進めます。若年者の胆石は、クローン病などの自己免疫性溶血病との合併症から引き起っているものが多いのが特徴です。

 

痛みなどの症状が治まって油断していると更に胆石の症状が悪化して、繰り返す度にどんどん重篤化していきます。親御さんの観察眼が重要になります。

 

胆石の治療例

手術

胆石の手術には開腹手術と腹腔鏡を用いた手術がありますが、両者とも胆嚢を取り除くことを目的としています。胆嚢は切除しても通常どおりに生活を行えるもので、根本的に胆石の再発がなくなるメリットが一番にあげられます。

 

開腹手術は、みぞおちからお臍にかけて大きく正中切開する手術で、重篤なケースや腹腔鏡で対応できない、炎症の強い剥離困難などに適した手術です。

 

腹腔鏡を用いた腹腔鏡下胆嚢摘出術は腹部を1p切開するポイントを4箇所作り、炭素ガスを注入して空間を確保しながら胆嚢を取り除きます。体への負担が少なく回復も早いので、胆石手術の主流になっています。

 

※手術は胆石の再発がなくなりますが、次の合併症の懸念もあります。
胆管損傷、出血、肩の痛み、皮下気腫、多臓器損傷、麻酔による呼吸器合併症、胆汁瘻、創感染

 

薬剤

鎮痛剤を用いた対処療法と胆石を溶解する薬があります。胆石発作の緩和に使われる鎮痛剤は主に、ジクロフェナクナトリウムやブチルスコポラミン、臭化ブトロピウムが用いられます。溶解剤はコレステロール胆石の溶解に使われる薬になりますが、15mm未満の大きさまでの対応になっています。

 

ウルソデオキシコール酸といわれる胆汁酸と同じ石鹸成分によって、脂肪分を溶解する作用を持ちます。溶解するというより、胆嚢の胆汁酸成分を増やす作用から溶解率を高めていく目的が大きくあります。このため、服用には半年から2年ほど期間を有します。

 

環境を整える

胆石発作が起こらない環境を医師が提案して、患者本人が実践していく治療法になります。

 

提案例

排便習慣をつける

※便秘により腸の圧力が上に向かうことで胆嚢を刺激し、胆石発作が起こるため。

 

食事内容の指導

バランスの良いメニュー構成を心掛ける。

コレステロールを過剰摂取しない食材にする。※炭水化物の過剰摂取、脂肪食品の回避など。

胆汁酸の排出を促すビタミンCの積極的な摂取。

 

ストレスを溜めない規則正しい生活習慣を持続する

 

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