むくみ腸とは?どういった症状が出るの?チェック法は?

“むくみ腸”という言葉を聞いたことはありますか?「むくみ」というと顔や手足を連想しがちですが、実は、内蔵である腸もむくむことがあるのです。
しかし、手足のむくみとは異なり、腸のむくみは見た目ではわかりません。お腹や体の不調からむくみ腸を疑っているものの、ご自分では判断がつかないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、むくみ腸とはどのような状態なのか、原因や症状、チェック方法など、むくみ腸について詳しく紹介していきます。
Contents
むくみ腸とは?何が原因なの?
“むくみ腸”とは、便の形成の過程で大腸に吸収された水分が、血流障害(血行不良)によりうまく排出できず、腸壁に溜まって腫れ(むくみ)を起こしている状態を言います。
腸の血流障害は、主に慢性便秘や下剤の慢性的な利用の他、生活習慣などからも起こります。以下に詳しく紹介していきます。
慢性便秘
便秘により腸内にとどまった便の腐敗が進むと、腸内に悪玉菌が増加し、腸内環境が悪化します。腸の中で発生した有害物質は腸壁に吸収されて血液と混ざり、血液をドロドロの状態に変えてしまいます。
ドロドロとした血液は血管をスムーズに通れなくなるため、血流障害が起こります。
便秘薬(下剤)の常用
下剤タイプの便秘薬は、腸に刺激を与えることで便の排出を促します。慢性的に服用していると、過度の刺激により腸粘膜が炎症を起こし、血流障害に繋がります。
下半身の冷え
下半身が冷えると内蔵(腸)の温度も下がるため、血行不良の原因になります。
食生活の乱れ
いわゆるドカ食いや早食いなどで、一度に多量の食べ物が腸に流れてくると、消化のために体内の血液が一気に腸に集まります。
この時の腸は一時的に血行がよくなっている状態ですが、消化が落ち着く頃には、集まってきたときと同じように一気に血が引くため、血流障害が起こります。
運動不足
運動不足は体全体の血行不良の原因となるため、腸の血流にも影響が出てきます。
自律神経の乱れ
腸にかぎらず、意識的に動かすことのできない内蔵や、消化吸収、血液循環などは、交感神経と副交感神経という2つの神経から成る“自律神経”がコントロールしています。
ストレスなどで自律神経が乱れると、「動かす」役割の交感神経と「休む」役割の副交感神経のバランスが崩れてしまい、血液循環がうまく行えなくなります。
むくみ腸になるとどういった症状が出るの?
むくみ腸になると腸内環境が悪化するだけでなく、体全体にも様々な影響が出てきます。
体全体がむくむ
むくみ腸が起きている体は、本来尿や便として排出されるべき水分を体に溜め込んでいる状態です。腸だけでなく、顔や手足など、体全体にもむくみが出やすくなります。
冷え性になる
体がむくむことで体全体の血行が悪くなり、末端冷え性に繋がります。
太りやすくなる
“むくみ腸”は腸の血流障害が原因で起こるため、腸自体の働きも鈍くなっています。余分な糖や脂質の分解がうまくできず、本来なら消費されるはずのエネルギーを体が吸収してしまうので、太りやすくなります。
また、エネルギーの消費量が落ちるために、ダイエットの成果も出にくくなると言われています。
免疫力の低下
人は免疫細胞によって、細菌やウイルスなどの病原体から体を守っています。この免疫細胞の約6割が腸に集中しているため、腸は体の中でも最大の免疫機関と言われています。
腸の働きが鈍くなると免疫細胞の働きも弱まるので、病原体に感染しやすくなり、風邪やウイルス由来の病気にかかりやすくなります。
むくみ腸かどうかのチェック法は?
むくみ腸は内蔵がむくんでいる状態なので外からの見た目では判断ができませんが、お腹の健康と大きく関わっていますので、慢性的にお腹に不調を感じている場合は、むくみ腸になっている可能性が高いと言えます。
以下のチェック項目にひとつでも当てはまったら、むくみ腸の疑いがあります。
- 月に数回、3日以上続く便秘になる
- ガスがたまりやすい
- ガスが臭う
- 便秘薬(下剤)を5年以上常用している
- 便は定期的に出ているが、残便感がある
- お腹を触るとカチカチに硬く感じる
- 常にお腹が張っている
まとめ
腸は健康のバロメーターとも言われている通り、むくみ腸は体全体の不調・症状に深く関わっています。
慢性便秘が原因で起こることの多いむくみ腸ですが、腸がむくんでしまうと腸全体の働きが更に低下し、便秘の解消を妨げるという悪循環にも陥ることも。
また、便秘によって腸内の便が長くとどまりやすい場所は、大腸癌の発生率も高くなりますので、むくみ腸の改善や便秘の解消は大病の予防にも繋がると言えます。
自己チェックだけでは不安な方や、便秘などの症状がなかなか改善されないという方は、胃腸科や消化器科などの医療機関を受診してみましょう。